Pulse


『回路』のリメイク。
評判があまりよろしくないので、どんなもんかと 思っていたが、結構酷い感。



変なパントマイム幽霊、貯水棟からのワンカットダイブ、
墜ちてゆく飛行機などオリジナルにあるインパクトのあるシーンを"劣化"トレース。


一番のポイントかつインパクトがある、
「お前なんて居ないんだ!現実じゃない!触れないんだ!!」
とか言いながら、幽霊に触ってみたら触れちゃって唖然とするシーンが無い。
パントマイム幽霊もあの得体の知れないものから受けるような恐怖感は皆無。
だめなカヤコみたい。ダイブもCGもろだし。


設定については、よく聞き取れていないのだが
「なんか知らないけど、あの世が一杯なっちゃったので幽霊が今生をも浸食している」という設定ではなさそう。
「コンピュータがあの世とこの世をつなげちゃった」という感じではなかろうか。
赤いテープの役割は結界のような役割で、オリジナルの「この世とあの世をつなげるもの」では無い感じ。

元のストーリーをそのままトレースするのではなく
オリジナリティを持たせようとする努力は良いとは思うのだが、
とにかく終末感に乏しい。終わる世界という感覚があまり感じられない。

接点となってしまった人間が、知らぬ間に黒い灰になるくだりも
なんだかスペースバンパイアの精気吸いみたい。


大学生お気楽終末体験記。役者の選び方もTV畑から引っこ抜いてきて、
典型的なティーン・ホラーとなってます。
回路から終末を取り除いてしまったら、何が残るというのか。


唯一、人で埋もれているあの世の表現だけは良いかなぁ。。。


Lostの若気の至り、Boone役だったIan Somerhalderが準主役。
大杉漣みたいに、あちこち出ずっぱりZach Grenierがワンカットダイブしてます。

どうもWes Cravenが脚本を書くと、こぢんまりしすぎてしまうようだ。
モンスター映画とかには強いんだけどなぁ、この爺さま。。。惜しい。